風のごはん

心の整理。

染、色 第3回感想と大千秋楽おめでとうございますのお話

まずは観劇3回目、気になったところを備忘録的に。

 

▪︎シナモン

滝川の事をシナモンみたいだと言う深馬。

とても強烈な香りがするのにあくまで脇役みたいな……さらっとすごく失礼なこと言うじゃん。 やっぱり滝川のこと深層心理では見下してたんだろうなぁ…

毎回某サンリオの人気キャラクターがチラついたの煩悩過ぎて反省しています。

 


▪︎ポリダクトリー

滝川がアトリエで深馬に話すのが1番最初。そのあと書かれていた真未と笑い合うけど。

滝川が初めて深馬に知らせると言う点がどうも気になるんだよなぁ…

この物語の解釈がすっきりしないのは滝川とロランス朱里の不透明性にあると思っていて、いま観客が見ているのは、現実の存在か深馬に見えている世界でかがはっきりしない。まぁそこが深みだと思うのですが。どう落とし所を付けようか、はたまた別に付ける必要もないのではとも思うけど。

全部現実にあったことだと思ってもいいし、全部夢だったと思ってもいいんだよなぁ。わたしは確かに深馬には真未がいたから、100パーセント真未を実在しないと言い切りたくはないと言う気持ちがあります。

 

▪︎滝川のスケッチブック
真未は滝川の机の引き出しにあるスケッチブックをみて、これ深馬が展覧会に出した絵じゃん。と言うけど、深馬が展覧会に出した絵を真未が知ってることに疑問をもたないのもキーポイントかなと。真未や、なんでそれが深馬の絵だって知ってるんや…

 

▪︎街並みのグラフティが反転する

これが、真未と深馬のパワーバランスが逆転した暗示なのかなとも思った。

これ以降真未は深馬が表面上考えていること以上のことをする様になるような。

北見には中途半端なんだよと、真未が言っていたままを言って喧嘩するし、真未の影響を強く受けて深馬が変わったように見えるようになる。

 


▪︎北見のミューズは杏奈だった?

これは完全に私の2次創作みがありますが(笑)

キャンバス事件の犯人と疑われた北見。台詞はないけど、杏奈の腕に縋っているような描写だけがあって。表面上は犯人じゃないことを信じて欲しいって事なんだろうけど、どうしても私には、やっぱり北見には、北見にこそ杏奈が必要だったんじゃないかなと思った。

確かに深馬にも杏奈は必要だったんだけど、それは真未がいない中で帰る所が欲しいからという理由からのような気がして、言ってしまえば杏奈じゃなくてもよかったと私は思う。

一方で北見はアーティストの面でも、もしかしたら他の面でも、杏奈が側にいたらまた違った未来があったんじゃないかなと。何となくで仲良くしてる女の子たちとは「違う」と余りにもはっきり言うもんでさ…友達の彼女なのにどこかまだ求めてしまうような、割り切れなさの所以は、杏奈が北見にとっての「特別」になり得る人だったからなのかな…と。なのに深馬は全然杏奈ちゃん大事にしてないもんね!悶々しちゃうよね!自分にとっては叶うなら手に入れたい人なのにね?!わかるよ北見くん!(?)

北見がまた追いかけたくなる「違う」人を見つけられますように。

 

▪︎真未との別れ
深馬は真未を追いかけていたけど、最後は真未が深馬を引き止めるように「君は何にだってなれるんだよ」と叫ぶ。ここもいつの間にか逆転してるんだよなぁ。

真未が芸術の神様に似た要素を持つものなら、自分の見込んだ人間が去っていくのに対してだし、真未が深馬の別人格とするならやはり深馬が去る=自分が消える ということなのでやっぱりああ言う言動になるのかなぁと。何にせよ、深馬も真未も痛々しくて、切なくて、苦しく時間だったな…。

 

▪︎滝川と河川敷で

滝川と河川敷での会話には深馬の自問自答の要素があると思っている前提ですが、

•自分以外の力を借りて本物になることになんの意味がある?

→真未の力を借りて作品を作りあげることへの葛藤 

という要素もあるのかなと思ったりしたけど、あの時点の深馬の意識の中では深馬は真未とどのくらい同期してるんだろうな…


▪︎最後の深馬のスプレー

深馬が回想の中で腕にかけてたのは色のないスプレーだったんだよね。(真未は白のスプレーをしていたような)

やっぱり全部幻だったって事なのかな。

 

 

 

 

3回目は気になる点も注視しつつ、一方で最も「舞台に立つ正門良規」を噛み締められたし、千秋楽なのもあってカーテンコールでは全キャストの皆さんがいて、優しくてほんわかしてあたたかいカンパニーを感じられてすごく幸せだった。

正門くんが初主演、座長公演であること。

その脚本が全幅の信頼を置く加藤シゲアキさんであること。

単純な物語じゃなく、観劇後もいろいろな捉え方と解釈の仕方があって、気づくか気づかないか、深読みするかしないか、何度見ても足りない厚みのある作品であったこと。

舞台上で役として震える正門くんの魂を感じられたこと。

シゲちゃんと、Aぇ! groupのメンバーが見に来てくれたこと。

その後にはAぇ! groupでのオールナイトニッポンがあったこと。

 

全部、奇跡みたいな現実で、思い返すだけで目頭が熱くなります。

 

 

わたしを初めてグローブ座に連れてきたのは、グリーンマイルのシゲちゃん。

Aぇ! group、お披露目こそは春松竹だったけど初の単独公演はグローブ座。

6人で東京に出てきて、今まで絡んだ事ない人同士、探り合いながらグループを形作っていった、合宿のような、青春のような日々を過ごしたこの場所に、正門くんが1人で主演として凱旋した染、色。

グローブ座の千秋楽には5人のメンバーが観に来てくれていて、正門くんは役者として、主演として、メンバーをまたグローブ座に連れてきた訳で。

Aぇ! groupの初めての場所に、正門くんは初めての主演として帰って来たんだなぁと思うとね…。

 

私が初めて観たグローブ座を創っていたシゲちゃんと瀬戸山さんが、正門くんの初主演舞台をグローブ座で一緒に創っていることに、なんとも言えない気持ちになる。

ひとの記憶、場所の記憶、様々な方向から交わってきていて不思議でもあり、幸せでもあり。

 

失礼な話かもしれないけど、この染、色を観て初めて心の底から正門くんの事を凄い人だな…って感動した。生身の魂を感じたのが初めてだったというか。単純にびっくりした。

今まで感じた事のない正門くんを感じたのがこの作品で、何回も言うけどそれを引き出してくれた一因がシゲちゃんなんだって。やばくない?どうしたらいいんだよ。

 

正門くんからあまり強い感情の波を感じたことがないので、こんなに感情むき出しに出来る人なんだ…とびっくりした。なにより、舞台の上にいたのはあくまでも深馬で、正門くんじゃなかった事に感動した。おかげさまで随分物語の世界に沈むことが出来たので、主演として完璧だったと思う。

自担であるほど、演技があんまりだと中身に集中しにくいというジレンマがあるんだけど、本当に一切それがなかった。正門くんすごい。

 

染色 舞台化にあたって

正門担の私としてのお気持ちですが、主演が正門くんで本当に良かったです。これ以上はないってくらい有難いキャスティングでした。

原作者でもあり脚本家でもあり、また演者でもアイドルでもあるシゲちゃんに、こんなに気にかけて貰って、暖簾も作って貰って、これが自担じゃなかったもう嫉妬で気が狂う所でした。あっぶね。

初主演が先輩の脚本って、めちゃくちゃ緊張するけど一方で心強くもあったろうなと。

何より、こんなにいい作品を初主演舞台としてこの先の役者人生を歩めるの、すごいことだよ。いい作品になったのは正門くんが頑張ったからっていうのも勿論あるけれど。

そして正門くんのジャニーズ人生を振り返るときに欠かせないものになるであろうこの作品をこの目で見られたこと、大好きな加藤さんが関わっていること、嘘みたいで本当の話。

 

大千秋楽まで1公演も落とすことなく駆け抜けられて本当に良かった。

一度は中止になったけど、今このタイミングで無事に幕が開いて、そして下ろせたことにいくら感謝してもしきれないな。

 

全然上手く言えないけど、正門くん本当にすごかったの。すごかったしか言えなくて悔しい。深馬が正門くんで良かった。

深馬が正門くんだったからこそ、正門くんが主演として立派だったからこそ、私も「染、色」をこんなに真っ直ぐに愛せているんだなぁと。

正門くんのおかげで、加藤さんの大切な作品を、邪念なく素敵な思い出に出来ること。普段以上に身に染み込ませて大好きだと思えてるんだ。本当にありがとう。これはNEWS担としての気持ちだね。

 

染、色は無事に幕を下ろしましたが、一度ついた染みは消えないし、

なんせ入口はあっても出口はない(by加藤シゲアキ)な某夢の国に魂のかけらを置いてきているので、

この「染、色」も、いつまでも私の心の中で続いていくことでしょう。

 

正門くん、シゲちゃん、瀬戸山さん、キャストスタッフのみなさん、

今日までお疲れ様でした。とっても素敵でした。ありがとうございました!!!!!!!!!